店舗売上の高い場所はどこ?不動産の収益を上げる用途/業種は何?

小売店の立地環境の相違とは?

小売店の「立地」と「商圏」に関し、私が研究と店舗開発業務に関わった経験から得られた知見を、数回に分けてまとめます。小売・サービス店の店舗開発に携わっている方々に、少しでもお役に立てば幸甚です。
 
小売店の立地環境の相違とは?
小売業は立地産業であると言われています。小売店を開店したとき、その売上の7割は店舗が立地した場所の特徴(人口や交通など)で決まってしまうからです。このことから、店舗開発担当者は、今までの経験に照らして、店舗の立地場所を慎重に選定します。
店舗の立地場所を区分するとき、基本的な視点は、地理的ビジネス環境に基づくものです。地理的ビジネス環境とは、教科書的には(高阪,2014, p.87)、都心部、市街地、郊外、都市外縁部、大都市圏外の5区分が知られています。
しかし重要な視点は、交通手段の違いを考えることです。大都市の都心部・市街地では鉄道交通が卓越するのに対し、郊外、大都市外縁部、大都市圏外では自動車交通が主です。この交通手段の相違は、商圏規模に反映するのです。一般に、鉄道交通が卓越する大都市の都心部・市街地では、徒歩による買物が多いので商圏の広がりは小さく、自動車交通が主な大都市の郊外、大都市外縁部、大都市圏外では、車による買物が多くなるので商圏は大きな広がりを示します。
このように、店舗が都心部・市街地と郊外・大都市圏外のいずれに立地するかは、店舗の開店後に形成される商圏規模に影響するのです。
右図は、交通条件に基づいて首都圏の地理的ビジネス環境を区分した地図です。赤色と橙色の地区は都心部に、黄色と黄緑色、空色の地区は市街地に相当します。さらに、その外側の薄い青と濃い青は郊外・大都市圏外になります。このように地理的ビジネス環境を3区分することは、立地後の店舗経営にとって重要であることがわかってきました。

図 首都圏における都心部と市街地の設定 
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2020/3/24
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